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わたしのちいさなウニヒピリのこと

 「わたしのちいさなウニヒピリのこと」 朝、目が覚めるたびに胸の奥で小さな声がする。泣きそうで、でもどこか懐かしいその声を、私はずっと無視してきた。忙しさや不安に追われる日々の中で、耳を塞ぐことの方が楽だったからだ。 ある夜、どうしても眠れなくて、静かな部屋でその声に意識を向けた。「ごめんね」と、ぽつりと呟くと、胸の奥がじんわり温かくなった。「ずっと放っておいて」と続けると、小さな震えが少しだけやわらぐ。「ありがとう」「愛してるよ」と言葉を重ねるたび、見えない何かがそっと寄り添ってくるのを感じた。 それが、わたしのちいさなウニヒピリだった。傷ついたまま置き去りにしてきた、もう一人のわたし。泣きたかったのに我慢して、寂しかったのに笑っていたあの頃のわたし。 それから私は、毎朝その声に挨拶をするようになった。うまくいかない日もあるけれど、心の奥に帰る場所があると知っただけで、世界は少し優しく見える。わたしの中の小さな存在は、今日も静かに息をしている。